西武の新人合同自主トレ2日目は11日、カーミニークフィールドで行われ、育成ドラフト3位の宮本ジョセフ拳外野手(21)=名古屋学院大=がひと際の存在感を示している。
「誰かが引っ張っていかないと」と、ランニングや100メートルダッシュでは大声で他の新人を鼓舞。「Enjoy Life、Enjoy Baseball」をモットーに掲げるだけに、「体も動いているし、めちゃ楽しくやれています」と笑顔をのぞかせた。
売りの一つが50メートル5秒9の快足。しかし、意外にも豊川高(愛知県)入学時は8秒3。その後、高2で7秒5、高3で6秒8と年々タイムを上げ、名古屋学院大1年時に5秒9を記録した。快足を手に入れた要因は2つ。一つは股関節近くの腸腰筋を徹底的に鍛えたこと。そしてもう一つがYou Tubeで繰り返し見たというジャマイカの陸上短距離選手であるヨハン・ブレークの存在だ。2012年ロンドン五輪4×100メートルリレーで金メダル、個人100メートル、200メートルで銀メダル、16年リオデジャネイロ五輪の4×100メートルでも2大会連続の金メダルを獲得。100メートル9秒69はウサイン・ボルトに次ぐジャマイカ歴代2位の記録で、その走法を参考にしているという。当然、走塁、盗塁への意識も高く、「加速の部分は自信があるので、スタートの3歩目までが課題」と自己分析にも余念がない。
陸上男子100メートルの日本記録を持つサニブラウン同様に、ガーナ人の父と日本人の母の間に生まれた宮本。新人合同自主トレに向けて、ガーナと日本の国旗を刺しゅうしたグラブを新調した。さらに登録名も「ジョセフ」となることが内定し、育成選手ながらも注目度は支配下登録の新人に負けてはいない。(東山貴実)
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