新型コロナウイルスの大規模なクラスター(感染者集団)が発生し、自衛隊の看護師が災害派遣された北海道旭川市の障害者施設「北海道療育園」の林時仲園長が29日に記者会見し、園内の感染拡大について、看護師ら職員が介助のために入所者と密着する場面が多かったことなどが背景にあったと説明した。障害者施設でのコロナ患者対応の難しさが浮き彫りとなった。
療育園には重度の身体障害や知的障害を持つ2~79歳の計332人が入所。職員はマスクを着けるなど対策はしていたものの、12月1日に職員や入所者ら23人の感染が判明し、市はクラスターと認定。その後も感染が広がり、8日には自衛隊の看護師が派遣された。市保健所によると、29日時点で入所者ら計164人が感染したという。
林園長によると、入所者の約7~8割は寝たきりといい、食事や体位変換の際には職員が抱きかかえるなどして密着する場面も多かった。さらに一つの部屋で6~8人の入所者が共同で生活しているため、距離が近く、感染が急速に広がったとしている。
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