さて、本題です。矢野阪神は全日程終了を前に水面下では来季に向けたさまざまな準備に着手しています。福留への戦力外通告でスタートを切った大リストラではすでに能見、伊藤隼、上本ら主力級を含めて次々と戦力外を通告。外国人選手に対してもボーアやガルシアなどとの来季契約には否定的な構想で、これらを集約すると年俸総額10億円を超えるカットとなります。
今季は新型コロナウイルス感染の拡大で無観客や5000人以下、収容人員の50%以下などの感染症対策が採られたため、球団は大減収に。12球団代表者会議では「1球団につき60億円から、最悪は100億円の赤字」という報告も出ています。「疫病や災害による年俸の減額」は球団と選手との間で交わされている統一契約書の中に記されていないため、経営者側は今季の契約期間中に選手に対して大減俸を要求することはできませんでした。しかし、今季の契約期限が終われば大リストラが待っている…とこのコラムでは早くから警報を鳴らしていました。それが阪神のみならず、全ての球団で今現在、現実のものとなっていますね。
阪神ファンにとっての関心事はそうした選手の苦境よりも、大リストラを敢行した後、矢野阪神はどのような経費の再分配で来季に夢をもたらしてくれるのか…でしょう。カットした10億円を含めた大金でどのような新たなチームづくりを進めてくれるのか?が現在の最大の興味のはずです。
しかし、早くも海外の新外国人選手獲得市場からは「阪神苦戦」の情報が届いています。今オフの米国野球事情はいつもと様子が違います。今季はマイナーリーグが開催されず、3Aの選手の供給は難しいのですが、逆にメジャー30球団は来季に向けた40人枠を早めに確定させる方向です。特筆すべきことは期待値の高い若手選手を多めに40人枠に入れる流れなのです。なので、メジャーで主力から少し外れた選手たちが逆に40人枠から漏れる可能性が高くなっています。日本から見れば、これまで手が届かなかったクラスの選手たちを狙えるチャンス到来のオフなのです。
例えれば、阪神でいうなら中谷とか陽川、高山や江越クラスが1軍登録枠に入れない…といえばわかりやすいですか。つまり3Aクラスは獲れなくても、現役大リーガーが獲れる…逆転現象が起きているのです。そして、12球団の狙う選手はほぼ一致しています。後は競争率の高い方から条件闘争による争奪戦ですね。現段階で阪神は巨人やソフトバンクに押されて劣勢ムードという情報です。
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