東京六大学野球秋季リーグ最終週第1日(7日、慶大1-3早大、神宮)試合後は悔しさをにじませた。ヤクルトからドラフト1位で指名された慶大のエース右腕、木沢尚文投手(4年)は7回105球を投げ4安打3失点で敗戦投手に。厳しい表情で、投球を振り返った。
「きょう(優勝を)決めるつもりだったので、チームのみんなに申し訳ないです」
息詰まる投手戦に、神宮球場につめかけた1万2000人も固唾をのんで見守った。一回、先頭の金子をこの日の最速となる152キロの直球で二ゴロに打ち取ると、1死一、二塁のピンチでも後続を抑えて、無失点に。五回までスコアボードに「0」を並べた。
だが、六回に1点を先制されると、同点となった直後の七回1死一塁から、蛭間に決勝2ランを被弾。高めに浮いたスプリット・フィンガード・ファストボールを左翼席に運ばれ「打たれたボールは打たれるべくして打たれたボールだったので、それは僕の技術不足でしかありません」と唇をかんだ。
ただあすの早慶戦に勝利すれば、2季ぶり38度目の優勝が決まる。堀井監督は木沢について「非常に気迫のこもったいい投球をしていたと思います。なかなか味方が点を取れなかったので、神経を使いながら抑えていったとみていました」と評価し「もともときょうの先発とあすのリリーフを考えていましたので、体調をしっかり見てまた頑張ってもらうかもしれない」と連投の可能性についても言及した。
「もともと2日間投げるつもりではいましたし、きょうの責任を明日しっかりとって、最後4年間やってきたことを全部出して勝って終わりたいと思います」と木沢。燕の将来を期待される右腕が、有終の美を飾ってプロの世界に飛び込む。
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