阪神が今季で3年契約の2年目を終える矢野燿大監督(51)の手腕を高く評価していることが12日、分かった。開幕から大きく出遅れ、9月にはチームに新型コロナウイルスへの集団感染があったが47勝44敗5分けでリーグ2位。藤原崇起オーナー(68)=阪神電鉄会長=は「その時その時のセカンドベストを貫いている」と明かした。
総帥は困難な状況をなんとかして乗り越え、貯金生活をキープする矢野監督を高く評価していた。最近ではコロナ禍に選手の内規違反。藤原オーナーは言葉を選びながらも2年目の矢野阪神を客観的に評価していた。
「矢野監督は最初からそうですけど…いろんな場面が起こります。チームで仕事をしているんですけど、全員順調にいくわけではない。いろんなアクシデントがある。その時その時のセカンドベストを貫いていると思います。だからそういう中で選手もしっかりと監督の思いに応えるように頑張ってほしいと思います」
年俸2億7000万円のボーアを含む史上初の外国人8人態勢で開幕を迎えたが、スタートダッシュに失敗。開幕後の5連続ビジターは4勝10敗と大き負け越したが、甲子園に戻ってから巻き返した。
9月25日には、5選手の新型コロナウイルス感染が確認された影響で一度に10人が出場選手登録を外れたが、そこからの15試合を7勝7敗1分けで乗り切った。4年目の大山は25本塁打を放ち、岡本(巨人)と並んで本塁打王争いトップタイ。2年目小幡の成長や、リリーフに転じて160キロを連発する藤浪の復調など、苦境の中、大きな飛躍や復活へのキッカケをつかむ選手も出てきた。
「コロナに対する対策も出ているようですけど、しっかりとその中でどんな役割をするんだとの自覚のもとに自分をどういう律し方をするかよく考えて、チーム全体、球団全体が頑張ってもらいたい。ファンのために頑張ってもらいたいと思っています」と選手にもハッパをかけた。
もちろん厳しい現実もある。昨年の3位から上回る2位につけているが、首位の巨人との総合力、原監督とのゲームマネジメント力の違いは12・5ゲームの大差に表れている。コロナの影響でクライマックスシリーズがない今季、一度もペナントの見せ場を作ることなく、宿敵のマジックは着々と減っている。契約通りの来季続投はあえて明言するまでもない。「当然です。もちろん(方針は)全く変わっていません」。残り24試合で4位DeNAまでは3ゲーム差。ひとつでも多くの白星を勝ち得て、シーズンを完走することを願っている。