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田中希実、1500メートルで日本選手権初V!800メートルで2冠に挑む/陸上

女子1500メートル決勝で優勝した田中希実=デンカビッグスワンスタジアム(撮影・恵守乾)

 陸上・日本選手権第2日(2日、デンカビッグスワンスタジアム)女子1500メートル決勝は田中希実(21)=豊田自動織機TC=が4分10秒21で初優勝を果たした。

 心を込めて走った。初めて日本女王の称号をつかんだマルチランナーの田中が、レースを終えてトラックに一礼した。

 「堂々とした走りで勝つことが、自信につながると思っていました」

 800メートル予選を全体トップで通過し、約5時間後に迎えた1500メートル決勝。その間、大学のオンライン授業を約30分受けていたというから驚きだ。1周目は70秒と抑えて入り、600メートル付近で仕掛けた。一気にペースを上げ、後続を置き去りに。一度も振り返らずに走り切った。7月に3000メートル、8月に1500メートルで立て続けに日本記録を更新。今回も貫禄のレース運びだった。

 座右の銘は「一思走伝」。父でコーチの健智(かつとし、49)さんから授かった造語だ。「見てくれた人が何かしらの解釈をして、感動してくれたらいい。そういう走りを見せられたら本物」。読んで字のごとく、走り一つで気持ちを伝えるという意味が込められている。

 元実業団ランナーの健智さんによると、技芸を自分の子だけに伝える「一子相伝」になぞらえた。「走りで何かを伝え、感じてもらえる人間になってほしい」。父の思いを受け継いだ娘は、この日の決勝でも力走。コロナ禍で観客は上限2000人とされたが、果敢な走りは見る者の心に届いているはずだ。

 2冠を懸け、3日の800メートル決勝に臨む。「日本記録を出しても、おごることなく陸上に向き合えている」。成長著しい21歳のホープが、トラックに志を刻む。

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