六回、ヤクルト・村上宗隆に本塁打を許した阪神・藤浪晋太郎 =神宮球場(撮影・長尾みなみ) (セ・リーグ、ヤクルト2-1阪神、17回戦、ヤクルト9勝8敗、26日、神宮)藤浪は、2軍に落ちる前よりも腕がしっかり振れていた。制球もまとまっていたし、内容はよかった。ファームで好投したことで、自信を取り戻したのではないか。
だからこそ六回、先頭の村上の一発は悔やまれる。1ストライクから2球目に真っすぐで力勝負にいった。捕手も含めてだが、同点、イニング、打者のタイプなどを考えれば、慎重さが足りなかった。セットアッパーなら、歩かせてでも一発を避ける場面だ。
ただ、これは慣れもあるし、藤浪にとっては長いイニングを少ない点数でまとめる先発と違い、1点も許されない短いイニングでの投球は刺激となり、復調のキッカケとなる可能性がある。
岩貞がいい例だ。さらに味方が逆転して勝ちがつくことなどあれば、改めて打線へのありがたみを感じるし、違った気持ちも生まれるはずだ。
試合を作るのではなく、1人1人を大事に打ち取る意識。この日の投球を見る限り、当面は中継ぎ、第2先発という形で登板する方がいいのではないか。コロナの影響で巡った機会ではあるが、変われるチャンスにしてほしい。(本紙専属評論家)
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