梅野は八回先頭で、試合を決定づける4号ソロを放った(撮影・松永渉平) (セ・リーグ、阪神4-0広島、15回戦、阪神8勝5敗2分、11日、甲子園)秘策ズバッ! 阪神は広島に4-0で快勝。生涯初の「2番」に入った梅野隆太郎捕手(29)が、八回の4号ソロを含む2安打1打点と躍動した。虎の捕手が2番を務めるのは、2002年の矢野輝弘(現燿大、監督)以来18年ぶり。負ければ12日にも自力V消滅の可能性があったが、先延ばしにしてチームは2位に浮上。まだまだ巨人に食らいつくでぇ~!
文句なしの主役コンビに大きな拍手が注がれ、完封のエースを追いかけるように、女房役が早足でベンチを飛び出した。今季初のお立ち台はバッテリーで共演。勝利の瞬間にみせた梅野の笑顔がさらに弾けた。
「本当にうれしい限りです。バッテリーで勝ち取ったなと思うゲームでした」
リードはもちろん、攻撃でも一役も二役も買った。八回先頭で右中間に4号ソロ。7月31日のDeNA戦(甲子園)以来1カ月半ぶりの一発で勝利を確信させた。2安打3出塁の活躍の場はプロ初の2番だ。「人生で打ったことがない」というサプライズ起用。見事に期待に応えた。
「『違和感なく』といえば、そうではないのが正直なところ。目の前に(1番の)近本がいて、変な感じはしたけど」
一回無死一塁は、初球のバントがファウルになって強打に切り替えた。4球目を左前へ。無死一、二塁を作って、サンズの先制打に直結した。
阪神の「2番・捕手」は2002年6月28日の横浜戦(大阪ドーム)の矢野輝弘(現燿大)以来だ。経験者の矢野監督は「『もう打席が回ってくる』とか、リズムも変わる。守る方と打つ方って大変なんだけど、よくやってくれた」と両立の難しさを熟知した上で託した。固定できない3番に糸原を選んだことに連動した選択。2番はさまざまな作戦に対応しなければいけない打順だが「バリエーションの多い選手。捕手でなければ、2番もある」とにらんだ適性が発揮された。
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