埼玉栄・内田は打者8人で4奪三振。最速150キロ右腕が、最後のアピールに成功した (撮影・塩浦孝明) プロ野球を目指す高校3年生による「プロ志望高校生合同練習会」は6日、東京ドームでシート打撃などが行われ、シート打撃で41人の参加者がアピールした。埼玉栄の最速150キロ右腕・内田了介投手(3年)が打者8人で4三振を奪うなど、甲子園に出場経験のない、好投手にバックネット裏のスカウト陣が注目。コロナ禍で特例として実施された練習会は、8月の甲子園球場を合わせた4日間の日程が終了した。
初めて踏みしめた東京ドームのマウンドにも、24投手の中で20番目という遅い出番にも内田は動じることなく、思い切って右腕を振った。
「自分の中で一番のストレートで押した。三振の目標は3つか4つだった。東(日本)で一番目立ちたいと思っていた。もともと緊張しないタイプなので結果を出せたと思う」
最速150キロ右腕は、この日145キロを計測した直球主体の投球で打者8人を無安打に封じた。2四球を与えたが、すべて空振りで4三振。その他も中飛、遊失と好結果を残した。
目標はカブスのダルビッシュ。昨年退任した埼玉栄・若生正広前監督(69)の東北高時代の教え子だ。日米通算163勝右腕の高校時代の指導法や自発的に練習していた様子を聞き、夢は大きく膨らんだ。
コロナ禍で春夏甲子園が中止となり、特例として初めて実施された今回の合同練習会。その最終日は国内全球団75人のスカウト陣が視察した。
広島・苑田スカウト統括部長は「内田は真っすぐに力があって切れもある。変化球の制球力もいいし、見られてよかった」と高評価。DeNA・河原ディレクターも「ストレートで押せる投手」と評した。同じ埼玉勢では浦和学院の美又が4奪三振、浦和実の豆田も5奪三振と両右腕が好投し、最後のアピールに成功した。
「下(高崎健康福祉大高崎)や美又と一緒に練習して、あらためてプロでやっていこうとしているのがわかった。人生の糧になった」と内田は2日間を振り返った。今秋のドラフト会議は10月26日。コロナに翻弄された全国の球児が運命の瞬間を迎える。(赤堀宏幸)
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