先発のオリックス・増井=京セラドーム大阪(撮影・薩摩嘉克) (パ・リーグ、オリックス4-5ソフトバンク、18回戦、ソフトバンク14勝3敗1分、3日、京セラ)ポンポンポン-。試合開始直前からエド・シーランの「Shape of You Ed Sheeran」が流れる。おなじみの登場曲とともに、オリックス・増井が4年ぶりに先発のマウンドに立った。
「何とか上で投げられるように、という場所を与えてもらったと思う。いただいたチャンスをしっかり生かせるように投げるだけです。スタミナの部分だけが心配だったので、そこをファームで投げ込んで、クリアできたかなと思います。心配はないですね」
2016年の日本ハム時代以来の先発。登板前には「初めてではない。久しぶりにあの感じで投げるんだな、という感じ。中継ぎで結果が出なくての先発転向なので多少、不安はあります」と率直な気持ちを明かした。
守護神の奪還に燃えていた今季だが、開幕は2軍スタート。6月24日に昇格したが、11試合で0勝1敗5ホールド、防御率3・72で、7月27日に出場選手登録を抹消された。その後、自身の不調や首脳陣の意向を受け、8月上旬から先発に転向。高山ヘッド兼投手総合コーチは「中継ぎでは行き詰まっていた部分がある。新しいものを引き出してあげたい。彼のためにもチームのためにもなれば」と説明した。
先発星を挙げれば、2016年9月24日の楽天戦(札幌ドーム)以来1440日ぶり。守護神への思いを封印しつつ、チームのためにゲームを作った。
「あの時も同じような形で、リリーフで結果が出なくて先発転向だった。同じようにいけばいいかなと思いますけど、相手も違うし、自分も年もとっていますし。どうなるか分からないですけど、本当に一生懸命やろうと思います」
今年36歳の年男。三回に2点を失ったものの、5回2失点と勝ち投手の権利を手にマウンドを降りた。しかし、3番手・富山が七回に2連続ホームランを浴びて、チームは敗退。増井の白星は幻と消えた。(西垣戸理大)
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