AIG全英女子オープン第2日(21日、英国・トルーン、ロイヤルトルーンGC=6649ヤード、パー71)日本勢初のメジャー連覇を目指し、首位に9打差の71位から出た渋野日向子(21)=サントリー=は1バーディー、6ボギー、1ダブルボギーの78と落とし、通算12オーバーで予選通過は絶望的となった。野村敏京(27)=フリー=が70でスコアを1つ伸ばし、通算2オーバーで上位浮上。初日は4アンダー67のエーミー・オルソン(28)=米国=が首位に立った。65位までが予選を通過する。
渋野が厳しい現実を突きつけられた。ホールアウトした時点で126位の通算12オーバー。リンクスに完敗だった。予選通過は絶望。連覇の夢がついえたシンデレラから、1年前に世界を魅了した笑顔が消えた。
「言葉にできないくらい悔しい。風がどうこうではなく、自分の問題。アイアンショットがまったくもって駄目。ポンコツだった」
3番(パー4)でバーディーが先行。強い雨の中、我慢のゴルフで滑り出した。雨が上がり、急に風が強く吹き始めた7番(パー4)からショットが乱れ始めた。2打目を右からの風に流されてグリーン左の深いラフに入れ、3打目は「ほぼ空振り」というミスもあってダブルボギー。初日にバーディーを奪った名物パー3の8番も、風に戻された1打目が右バンカーにつかまった。
「(ウッド系の)ティーショットはよくなっているのに、アイアンにつながらない。頭の中はパニックだった」
昨季の国内でツアー歴代2位の402個のバーディーを生み出す原動力となった、切れ味抜群のアイアンショットが今季はサビついている。6月の国内初戦「アース・モンダミンカップ」、前週の「スコットランドオープン」も予選落ち。「何かを怖がって、うまく振れない。ここ何カ月か悩んでいる」。オフから取り組むスイング改造の途中とはいえ悩みは深い。
「足りないものが全部見つかった。もうこんな悔しい思いはしたくない。リンクスにもリベンジしたい」
今後は米国に渡り、メジャー2試合に出場する。目標は5大メジャー制覇。「そこはブレない。長い時間がかかるかもしれないけど達成したい」。視線は前へ。心が折れない限り、魔法はまだまだ解けない。
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