試合に敗れ、肩を落とす鹿島の選手ら=埼玉スタジアム(撮影・桐原正道) 明治安田J1第4節最終日(12日、埼玉スタジアムほか)「明治安田生命Jリーグ」はJ1で7試合が行われ、上限5000人ながら4カ月半ぶりに観客が入場。鹿島は浦和に0-1で敗れ、クラブワーストの開幕4連敗を喫した。浦和は勝ち点10で首位川崎と並んだ。FC東京は昨季王者の横浜Mに3-1で逆転勝ち。C大阪は名古屋に0-2で敗れ、開幕からの連勝は3で止まった。
主要タイトル20冠を誇る常勝軍団の面影はなかった。0-1のまま試合終了を告げるホイッスル。浦和サポーター3094人の拍手が注がれる埼玉スタジアムのピッチに、鹿島イレブンは崩れ落ちた。
「あれだけのチャンスがあってもゴールを決められない」
今季から指揮を執るザーゴ監督は唇をかみしめた。4年ぶり9度目のJ1制覇を目標に掲げながら、クラブ初の開幕4連敗。ルヴァン杯などを含め公式戦6戦全敗で、得点は7月4日の川崎戦でのオウンゴールだけ。昨季、母国ブラジルでブラガンチーノを1部昇格に導いた手腕を買われたが、仮に鹿島サポーターが入場していたらブーイングを浴びただろう。
中盤でボールを保持しながら、相手ゴールを脅かす。指揮官が掲げる新スタイルはある程度は体現できたが、ゴール前で精度を欠いた。後半7分に先制されると、東京五輪世代のFW上田を投入。左CKを頭で合わせたが、枠の右に外れた。
前節の札幌戦から先発2人を入れ替えたが効果なし。それでも途中出場のMF遠藤は「悲観することはない。チャンスもほとんど作られなかった」と強気に言い放つ。
登録32人のうち、精力的に11人を補強。MF和泉、DF永戸、DF杉岡ら各クラブの主力級を引き抜き、FWファンアラーノら新外国選手の能力も高く、MF染野ら超高校級ルーキー3人を確保した。2年前に引退した小笠原満男氏(41)ら黄金期を支えたベテランは去ったが、素材はそろっている。
「無得点はずっとは続かない」と指揮官は前を向く。次節18日はホームに昨季王者の横浜Mを迎える。サポーターの前で初白星を挙げ、最下位から上昇気流をつかみたい。(宇賀神隆)
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