2軍調整中の阪神・藤浪晋太郎投手(26)が5日、ウエスタン・中日戦(ナゴヤ球場)に先発し、5回無安打無失点と快投した。6月3日のソフトバンク戦(鳴尾浜)で右胸の軽度の筋挫傷と診断されたが、この日、予定されていた5回を投げ切り、「故障者組」から外された。けがの影響を感じさせない投球を披露し、1軍昇格への準備は着々だ。
右腕の躍動を称賛するかのように次第に雲は消え、お天道様が名古屋の空に顔を出した。藤浪が今季最長の5回をわずか64球で投げ切り、スコアボードに「0」を5つ刻んだ。
「全体的によかったと思う。欲を言えば、もうちょっとスライダーがきれてほしいなというか。イメージとは違ったけど、悪くはなかった」
圧巻だったのは三回1死で迎えた石橋の打席だ。2球続けて外角へ直球を投じ、2ストライクと追い込むと、最後も同じコースに146キロの直球をズドン! 3球で空振り三振に斬り、これまで抜け球が多く、苦戦してきた右打者を完璧に抑えた。
5回無安打無失点、2四球。毎回の6奪三振に加え、四球以外では走者を出さず、二塁すら踏ませない内容だった。試合の序盤は最速151キロの直球で押し込み、四回以降は変化球の割合を増やして、打者に的を絞らせなかった。
この投球に平田2軍監督は「完璧に近いよね。右打者へ抜けた球も一球もない。良いときの晋太郎(藤浪)に戻っているよ」と好評価。続けて「これで故障者(扱い)を外れたね。次は7~8回で100球くらいになるんじゃない」と明かした。予定通りにいけば、次は14日のウエスタン・オリックス戦(オセアン)での先発が濃厚だ。
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