筒香がメジャーデビューへ再出発。ウイルス対策が徹底される中、改めて第一歩を刻んだ(撮影・山田結軌) 【セントピーターズバーグ(米フロリダ州)3日(日本時間4日未明)】米大リーグは新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月中旬に中断したキャンプを再開した。全30球団が本拠地で実施し、7月23か24日(同24か25日)に開幕する60試合制の今季に備える。DeNAからレイズに移籍し、メジャーデビューを目指す筒香嘉智外野手(28)も約4カ月ぶりに全体練習に合流。厳戒態勢の中、記者会見で強い覚悟を示した。
一時停止を余儀なくされた夢への挑戦が再スタートした。筒香がトロピカーナ・フィールドで再開したキャンプに参加。同僚から「ヨシーッ!!」の声が飛ぶと、帽子に手を当て再会を喜んだ。
「このコロナウイルスは僕たちには左右できない。責任を持った行動を心掛けながら、開幕へできる最高の準備をしたい。この素晴らしい球場で練習できた喜びを改めて強く感じました」
練習後のオンライン会議システム「Zoom」を使った記者会見。キャンプが中断し3月下旬に一時帰国したため、まだプレーしていなかった本拠地球場で初めて体を動かし、素直な心境を吐露した。
成田発の航空機で離日し、フロリダ州に到着したのは6月29日(日本時間30日)。新型コロナ検査を受け、陰性が確認されたことで練習合流が可能となった。密集を避けるため野手は4組に分かれ、フリー打撃に臨んだ。筒香は43スイングして4本の柵越えを放つなど快音を響かせた。
米紙ワシントン・ポストでは前日、米国内で1日当たりの新規感染者が過去最多の5万5000人に上ったと報じられた。フロリダ州では前日だけで1万人以上の感染者が報告された。
厳戒態勢が敷かれる中でのメジャーデビューへの再出発。球団はソーシャルディスタンスを保つため、練習機材は右翼側ファウルグラウンドなどに設置。スタッフはマスクと手袋を常時着用し、メディアは客席から限られたカメラマンだけ撮影を許可された。
「(ウイルスの怖さは)もちろんあるんですけど、プレーすると決めたからには自分ができる対策をして集中する」。開幕まで3週間。筒香は強い決意で前へ進む。