共演の里見(中央)が撮了し、草笛光子(右)と花束を贈った田中。大先輩は演技の先生でもあった=1997年7月撮影 街を歩くと役名で呼ばれることが多くなり、生活が変わっていきました。撮影の合間に渋谷の映画館へ行ったとき、行列ができていたんですけど、「あぐりちゃんだ!」と呼ばれてどんどん人が来て、気がついたら行列の最前列にいました(笑)。皆さんに愛されているキャラクターなんだなと実感しました。
義父母役の里見浩太朗さんや星由里子さんにもお世話になりました。役者としてトップを走っている先輩方はやはり、言葉遣いがきれいで謙虚。社会人のあいさつやマナーなどを教えてもらいました。先輩の皆さんが先生であり、師匠ですね。
当時の所属事務所の先輩だった星さんは、本当のお母さんのようでした。ハードな撮影だからと毎朝、手作り弁当を持ってきてくださって。星さんの前をうっかり通り過ぎてしまったときは「前を失礼します」と言うように教わりました。
里見さんはクランクアップしたとき、「皆があなたを支えてくれた作品だけど、これからはもっと厳しいことがある。踏ん張ってね」と励ましてくださった。
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