広場恐怖症であることを明かした菅沼。治療に努めながら開幕を心待ちにする(撮影・土谷創造)
ギャラリーページで見る 新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止が続いた国内女子ゴルフツアーは、25日からの「アース・モンダミンカップ」(千葉・カメリアヒルズCC)で開幕する。同大会に出場予定のプロ3年目、菅沼菜々(20)=ニトリ=が本紙の取材に10日までに応じ、不安障害の一つ「広場恐怖症」であることを公表した。現在も治療を続けながらシード獲得を目指す。
コロナ禍で約3カ月遅れの開幕を迎える女子ツアー。2017年の「日本ジュニア選手権」を制するなどアマチュア時代から有望株として知られた菅沼が開幕を前に、「広場恐怖症」に苦しんでいることを告白した。
「選手仲間にも心配されていました。ファンの方に病気について知ってほしいと思い、公表を決意しました」
突然、その症状に襲われた。高校2年だった2016年夏。自宅から埼玉栄高に通う駅のホームで急に、電車に乗ることができなくなった。診察を受けたが病名ははっきりせず、高校3年時は電車通学もできた。
しかし高校卒業後、18年7月のプロテストに合格した後から再び症状が出た。公共交通機関での長時間移動などに対し、激しい恐怖や不安を覚える「広場恐怖症」と診断された。
ツアーフル参戦初年度だった昨季は、飛行機や新幹線での移動を伴う北海道や九州での大半の試合に出場できなかった。昨年8月の所属先の冠大会「ニトリレディス」(北海道・小樽CC)でも、父・真一さんの運転で盛岡駅まで行ってから新幹線に乗ろうと努力したが、ホームにうずくまって号泣。現地入りを断念した。昨季は全38試合で出場30試合。賞金ランキング62位で、惜しくもシードを逃した。
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