夏の甲子園大会の中止が検討される中で、茨城県高野連が独自の地方大会「夏季茨城大会(仮称)」を開催する案を持っていることが15日、分かった。中止の場合、「第102回全国高校野球選手権大会・茨城大会」の名称が使えなくなるため。また仙台育英の監督時代に甲子園出場19度を誇る佐々木順一朗氏(60)=現福島・学法石川監督=は3年生部員への心のケアの必要性を訴えた。
東北の高校野球を代表するベテラン指導者、学法石川の佐々木監督が、新型コロナウイルスに振り回される3年生部員の境遇に、胸を痛めた。
「本当にかわいそうな学年。気持ちに区切りをつけられない年です。心のケアが前倒しで必要になる。憎いのはコロナです」
佐々木監督は今夏の甲子園開催が、厳しい現状を悔しがった。何とか試合をやらせてあげたい-。だが、春夏通算12度の甲子園出場を誇る福島の強豪校もコロナ禍で難問が直面している。
2018年秋から指導する学法石川では、オンライン授業が実施されており、野球部は4月初めから、1カ月以上も全体練習を行っていない。緊急事態宣言の解除を受けて、18日から通常授業が再開され、ようやく練習も解禁となる。
仙台育英の監督時代は甲子園に19度出場(春6、夏13)。2度の準優勝に導いた指揮官は、選手たちの思いを受け止めながらも、頭の中では甲子園大会中止も想定しはじめた。
早ければ20日の運営委員会で開催可否に結論が出る。「一校、一野球部だけがどうこうじゃなく全国的なもの。僕たちだけ、僕だけがという考えは違う。そこは共有しないと」と佐々木監督。球児たちの揺れる心を思いやった。
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