打って走って守れる大型スラッガーの佐藤。プロ大注目の逸材だ 今秋のドラフト注目選手をピックアップする連載(随時掲載)の第3回は西の大砲・近大(関西学生)の佐藤輝明内野手(4年)。右投げ左打ちの大型スラッガーだ。野手トップ級の評価で、1位指名も予想される。(取材構成・宮本圭一郎)
打って走って内外野を守れる。50メートル走6秒、遠投100メートル。187センチ、92キロで身体能力が高い佐藤を、ヤクルト・阿部スカウトはこう評価する。
「1年の時から大型で長打力が売り。ウチでいうと村上みたいな選手です」
昨季、高卒2年目で36本塁打を放った若き左の大砲の名前を出しながら「佐藤くんは三塁だけじゃなく外野も守れる。上位候補だと思う」という。
広島・鞘師スカウトも「1位じゃないと、とれない。試合を見られて、さらにいいところを見つけたら、もっと強く推すんだけど」と絶賛。視察できない状況だが、先輩・糸井が在籍する阪神をはじめ他球団も、能力を高く評価していた。
兵庫・仁川学院高時代は無名の存在だったが、柔道の講道館杯優勝経験がある父・博信さん(53)譲りの頑健な体が、ウエートトレで花開いた。打撃練習では奈良・生駒の両翼100メートルの大学グラウンドにある、高さ14メートルの防球ネットを越えて、右中間場外へ何度も打球が消えていく。
2018年の明治神宮大会・筑波大戦では逆方向の左翼へ一発。リーグ戦通算11発は巨人などで活躍した先輩・二岡(現巨人3軍総合コーチ)の13発の記録にあと2本だ。コロナ禍で春のリーグ戦開催は流動的。新記録の達成は秋かもしれないが「やれる範囲でやる。結果的に超えればいい」という。
コロナ禍で、4月初めに兵庫・西宮の実家に戻った。室内で筋トレ、自宅近くで素振り、バドミントンの羽根打ち、弟とキャッチボール、ランニングなど連日1時間の自主練習。ドラフト上位候補ということについては「それは意識していません。今は大学に戻ったらすぐ取り戻せるように動いている」と来たる日に備えている。