10日は「母の日」。今回は広島と広島テレビがコラボし、4月15日から球団ホームページでもアップされている「Dear SUPERMOM」に注目する。選手の母親に昔のお弁当を作ってもらって、スタッフが届ける。第1回に登場したドラフト1位・森下暢仁投手(22)=明大=の母・美生(みお)さんに話を聞いた。(取材構成・柏村翔)
お母さん、いつも、ありがとう。
1・5合の白米の上に牛肉、卵、ブロッコリー…。特大のお弁当をほおばりながら、森下が目を潤ませた。
「ありがたいですね。こうやって支えてくれているんだなと思うと…」
10日の「母の日」に合わせ、広島は広島テレビとタッグを組み、選手とお母さんとをつなぐ企画を考えた。少年時代のお弁当を再現してもらってスタッフが選手に届ける。食べた選手は、お母さんに感謝のメッセージを伝えるというものだ。
森下は小学3年生から野球を始めた。県立の大分商高では寮がなく、実家から通った。その胃袋を支えたのが母・美生(みお)さんだった。
「お弁当は毎日作っていました。学校に食堂がなかったですからね。途中でおなかがすかないようにご飯をいっぱい入れていましたね。朝練で6時には出発するので、朝5時ぐらいには起きて(作って)いました」
おふくろの味を届ける側も全力投球だ。
今回の企画のターゲットは森下以外にも石原慶(岐阜)、大瀬良、今村(ともに長崎)、床田(兵庫)らと全国津々浦々。お弁当は生ものであるだけにスタッフは午前中に広島から故郷に飛び、すぐにマツダスタジアムに戻って収録する。時間との勝負にもなる。
涙あり、笑いあり。広島はこれまでにも「母の日」でピンクユニホームの着用や、特製グッズの販売など積極的に取り組んできた。ここまで凝ったイベントにするワケは…。松田オーナーの信念が背景にあった。