3月2日のドジャースとのオープン戦。秋山は一回に四球で出ると、後続の安打で一気に三塁を陥れ、確かな脚力を披露した(共同)
ギャラリーページで見る 必読、AKIYAMAの野球論! 米大リーグ、レッズの秋山翔吾外野手(32)が、現在まで大切にしてきた考え方、練習法など、その頭の中を少年ファンらに公開する。短期集中連載『秋山的思考法』の前編は「ランニング」がテーマ。不要不急の外出自粛が求められる中、コロナ禍の終息後を見据えて秋山が強調したのは「走ること」の大切さ。一見時代に逆行するようにも思える練習を重要視する真意とは-。
新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が求められる中、練習も制限され、プロやアマを問わず厳しい環境下にある。秋山は「家にいる時間が多く、新聞やインターネットを通して、記事が人々の目に触れる機会が日常より多くなるかもしれないから」と自身の思考法を公開するに至った理由を説明し、まずこう持論を口にした。
「走ることは、スポーツをすること、つまり自分の体を移動させる基礎動作です」
コロナ禍終息後も見据え、強調したのがランニングの重要性について。プロ野球選手になるまで、西武でプレーした期間も「何も道具を持たずにできる一番シンプルな下半身のトレーニング」として、ランニングを重視し、練習メニューに組み込んでいた。
西武時代には、本拠地メットライフドームでの試合前練習で30メートル走のタイムも計測していたという。スタートの反応、スピードの伸びを確かめ、感覚とタイムを照らし合わせることでコンディションを把握する。その日のベストを知って試合に臨めば、打撃にも、守備にも役立つ。
最先端のトレーニング理論では否定的に捉えられることもあるランニング。秋山も1、2時間に及ぶ持久走、走り込みを連日しろ、と言いたいわけではなく「長い距離を走ったり、ダッシュでも50メートルや30メートル、ときには5メートルなどバリエーションが必要。それで自分の体を知ることができる。走ることで自分がその日、どういう体の状態かを理解しやすくなる」と説明する。
ランニングへの意識が高まる教えもあった。数年前のソフトバンクとのオープン戦。工藤監督に「秋山君、走ってる?」と問い掛けられた。「オフ期間は、走ることが基本だと考えて取り組んでいるのですが…」と答え、意見を仰いだ。工藤監督は48歳まで現役を続けた。それを可能にした理由の一つにランニングがあったと聞き、思いを強くした。
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