記者会見に臨む小池百合子都知事=10日午後、東京都新宿区の東京都庁(撮影・佐藤徳昭) 「代表取締役社長だと思っていたら、中間管理職だった」。10日午後、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、休業要請を発表した小池百合子・東京都知事の記者会見。休業対象を巡って国との調整が難航したことについて、政府への不満を包み隠さなかった。
俎上に載せたのは、安倍晋三首相が7日に出した緊急事態宣言。「それぞれの地域の特性に合わせた対策ができるよう、知事に権限を与えたのだと思っている。代表取締役社長だと思っていたら、天の声がいろいろ聞こえてきて、中間管理職になったようだった」。小池氏は当初、緊急事態宣言に先立ち、都の対策を明らかにするようなそぶりも見せていた。しかし、政府との調整がまとまらず、9日夜になってようやく決着を見た。
都内では感染者の増加が突出し、他の自治体とは桁違いの状況。小池氏は「政府からは外出自粛の効果を見極めてから、という話もあったが、命に関わる問題でそこまで待てない」と訴え、危機感をにじませた。
「危機管理の要点は、最初に大きく構えてそこから緩和していくこと。自分、家族、社会を守るために協力を」。休業要請を最小限に抑えようとした政府をやゆするように、小池氏は都民に重ねて理解を求めた。
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