体脂肪率3%の肉体美を披露した橋本。食事の管理と地道な練習で強い体を作り上げた (撮影・矢島康弘)
ギャラリーページで見る 東京五輪の開幕まで、24日で半年。自国開催の祭典で活躍が期待される10代アスリートの注目株が、昨年10月に開かれた体操世界選手権(ドイツ)で男子団体総合の銅メダル獲得に貢献した橋本大輝(18)=千葉・市船橋高=だ。体操ニッポンの新星は、いかにして生まれたのか-。持ち味の美しい演技ができるまでに迫った。 (取材構成・鈴木智紘)
趣味を尋ねると、18歳は答えにためらった。それまでの軽快な問答から一転、しばらく悩んだ末に「ないんです」。毎朝5時半に起きる。千葉・成田市の自宅から約1時間半かけて電車で市船橋高に通い、練習後に帰宅するのは午後10時半。橋本に高校生らしい一面は見当たらない。
強いて趣味を挙げるなら「体操の動画を見返すこと」。競技にのめり込む若き才能が体操ニッポンのエースを襲名しようとしている。内村航平(31)=リンガーハット=にも白井健三(23)=日体大大学院=にも譲るつもりはない。
「引っ張る覚悟を持たないといけない。主役になるくらい強くならないと」
小児ぜんそくを患っていた幼少期は体が弱かった。ご飯をほおばると、せき込んで吐き戻すことも。それが今や身長165センチ、体重54キロ。体操界では大柄だ。わずか3%の体脂肪率を誇る。