沖縄は花粉を飛ばす植物が少ない。そこでは好調だった北條は昨季、本州へ帰って数字を落とし、オープン戦打率・188、0本塁打、1打点と急ブレーキを踏んだ。目のかゆみ、鼻水、だるさ、眠気も襲うという花粉症は、3月から5月がピークとされる。北條は開幕から4月まで打率・143、0本塁打、0打点。ルーキー木浪らの台頭を許した。克服しなくては、目標の「全試合出場」は見えてこない。
「夏はいつも上がってくる。それまでにしっかりと結果を出さないと。いつも毎年毎年、同じような結果ばかりなので。全試合出られないので。そういうことで(花粉症対策を)やっています」
ライバルは多い。だが目に見えないほど小さく、そして計り知れないほど多いこの粉が、一番の敵かもしれない。体質もすべてを見直して、今年の春こそ乗り越える。 (長友孝輔)
★北條の春季キャンプMVP
◆2017年 キャンプ中の実戦で打率・357、2本塁打、4打点の好成績を残し、金本監督から中谷とともに野手MVPに指名された。ただ、シーズンでは初の開幕スタメンをつかんだが初安打までに14打席(4試合)を要するなど出遅れ、最終的に83試合で打率・210、3本塁打、20打点
◆19年 キャンプ中の実戦では打率・524でチーム首位打者。矢野監督からキャンプMVPに指名されたが、オープン戦で結果を出せず、開幕スタメンはルーキーの木浪に。シーズンを通してレギュラーをつかめず、82試合で打率・247、5本塁打、20打点に終わった
★野球選手と花粉症
西武、ダイエーで活躍した秋山幸二は花粉症で有名で、開幕は毎年低調。5月になると急に打ち出すことから「ミスター・メイ」と呼ばれた。松井秀喜(元巨人、ヤンキース)も花粉症持ちとして知られ、現在では北條が合同自主トレをともにしている山田哲人(ヤクルト)ら、多くの選手が悩まされている。
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