宮城野部屋を出る石浦。報酬減額とけん責の処分が下った 日本相撲協会は9日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、稽古中に殴り合いをした宮城野部屋所属の西前頭10枚目石浦(30)、兄弟子の幕下宝香鵬(30)の処分を協議。石浦を1カ月の報酬減額20%とけん責、宝香鵬はけん責とした。師匠の宮城野親方(62)=元幕内竹葉山=は過去に監督責任を問われた処分歴があることを踏まえ、3カ月の報酬減額20%とした。
現実に即した、けんか両成敗の処分が下された。
事案は4日の稽古中、決着がついた後に駄目を押された石浦が、立腹して膝蹴りしたのが発端。宝香鵬も平手や拳で振り払って応戦。最後は殴り合いになったところを横綱白鵬が止めた。
報告を受けた協会は、コンプライアンス委員会に事実関係の調査と処分意見の答申を委嘱。答申通りの処分が決定した。同委は「暴力禁止規程」第4条(禁止行為)の「稽古中において、握り拳などで殴るなど、審判規則禁じ手に掲げる禁じ手を故意に暴力として用いる行為」に該当すると判断した。
規定に抵触した十両以上の関取の処分は「出場停止1場所が一応の基準」とされているが、同委では2人が反省し(1)突発的であること(2)双方にけがはない(3)いじめや制裁など陰湿的な要素もない-などとして悪質性は高くないと指摘した。
芝田山広報部長(元横綱大乃国)によれば、3人は個別に理事会へ呼ばれて通達され、「八角理事長は『今回はこういう処分になったが、次はあり得ない』と伝えた」と説明した。
この記事をシェアする