韓国戦では2本塁打を浴び、1回3失点と崩れた山口。日本でのプレーは、しばらく見られなくなりそうだ (撮影・甘利慈) 第2回プレミア12 決勝(17日、日本5-3韓国、東京D)巨人・山口俊投手(32)が米大リーグに挑戦する意向を持っていることが17日、分かった。移籍にはポスティングシステムを利用する必要があり、同制度の申請は巨人では初めてとなる。かねてメジャー移籍の希望を抱いており、球団側は今後、申請の可否について最終判断を下すが容認する見通し。山口は「プレミア12」の決勝・韓国戦(東京ドーム)に先発し、1回2安打3失点だった。
山口が、大きな決断を下した。メジャーでのプレーは、DeNA時代から抱いてきた夢。鋭いフォークボールと高い奪三振率は以前からメジャー球団の評価が高く、2017年に国内フリーエージェント(FA)権を行使して巨人へ移籍した後も、その思いが変わることはなかった。
この日の韓国との決勝では1回3失点で降板し、悔しさの残る大会となった。ただ、今季の巨人では15勝(4敗)を挙げ、防御率2・91をマークするなど大車輪の活躍。最多勝、最多奪三振(188)、最高勝率(・789)の投手3冠に輝き、5年ぶりのリーグ制覇に貢献した。
そのシーズン終了後、改めて球団に思いを伝えたとみられる。ポスティングシステムはFAと違い、球団の容認が必要となる。これまで巨人は「FAは選手の権利、ポスティングは球団の権利」(球団幹部)と、制度の利用を一貫して認めてこなかった。02年オフの松井秀喜、08年オフの上原浩治らは、いずれも海外FA権を行使しての移籍だった。
しかし、時代背景もあって、球団は徐々に態度を軟化させたもよう。17年にFAで加入する際、山口側が契約の「オプション」として設定したとの情報もある。
水面下では既に山口と球団で複数回の話し合いがもたれ、巨人は来季以降も重要な戦力と考えていることを伝えている。ただ、山口の意志は固く、メジャー挑戦が実現する可能性は高い。
この記事をシェアする