中日の主催試合も24日のDeNA戦、25日のヤクルト戦(ともにナゴヤドーム)の2試合だけとなった。ここまでの70試合で観客動員数は222万4602人。松坂フィーバーで盛況だった昨季の211万276人を上回った。
営業担当者は「『注目された2人』は1軍にはいなかった。チームも9月に入って調子を上げてきたが、優勝争いに1度も加われなかった。それで、これだけのお客さんに来ていただけるとは正直、想像していなかった」と驚きの表情だ。
「注目の2人」とは、1軍登板がわずか2試合(ともにナゴヤドーム)の松坂大輔投手、1軍出場ゼロのドラフト1位・根尾昂内野手だ。チームは9月に入って12勝5敗の快進撃。22日現在、3位広島に1・5ゲーム差に肉薄し、クライマックスシリーズ(CS)出場の可能性も出ているが、「もう少し時期が早ければ、もっと観客動員数は増えていただろう」(営業担当者)と苦笑いだ。
それよりも昨オフ、森繁和監督が退任し、OBの与田監督が就任したことへの期待感。ここ2年、開幕ダッシュでつまずいたが、4月に2016年シーズン以来の貯金をつくったことなどが集客力アップに貢献したという。
そんな中、企画担当者の1人は、こんな分析をしていた。
「あまり大きな声ではいえないが…。昨年よりも球場のイベント企画を増やしたことが大きかったと思う」
今月18日、19日の巨人2連戦で、根尾の「ボブルヘッド(首振り人形)付きチケット」を販売すると、あっという間に完売。スタンドは満員に膨れあがった。このほか、レプリカユニホームが配られる日を増やしたり、女性ファンをターゲットにしたイベントを実施したことも、昨季の松坂フィーバーを超えた最大の理由だという。
今季は、巨人が5年ぶりのリーグ制覇を達成した。一方、2011年を最後に優勝から遠ざかっている中日。与田監督の口癖は「名古屋のファンに勝って、喜んでもらいたい」。来年は営業担当者に頼らず、ナゴヤドームのスタンドを超満員にさせられるか。(三木建次)
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