(セ・リーグ、阪神4-2巨人、21回戦、巨人14勝7敗、31日、甲子園)トリよ、さらば! 球団から引退勧告を受けた阪神・鳥谷敬内野手(38)が31日、巨人戦(甲子園)の試合前に、今季限りで退団することを明らかにした。現役続行の意志が強く、今後は移籍先を探す見通しだ。この日は代打で待機していたが、出場機会はなし。試合は中谷将大外野手(26)が七回に決勝ソロを放ち、4-2で勝利した。
8月最後の日に、4万6788人が詰めかけた伝統の一戦。その試合が始まる前のことだった。29日に揚塩球団社長から引退勧告を受けていた鳥谷が、タテジマを脱ぐことを明言した。
「タイガースでユニホームを着てやるのは、今シーズンで最後。ファンのみなさんにタイガースのユニホームは脱ぐということを伝えたいなというのが一番の思いです」
試合前の練習後、球団施設内の控室。約50人の報道陣を前に約5分間、淡々とした口調ながら独白に近い形で言葉をつむいだ。虎ひと筋16年目。前日30日の同戦後にも「自分がどうするのか、まだ全然考えていない」などと語っていたが、改めて会見の場を設けたのには理由があった。
「きのう(30日)も帰るとき、たくさん自分のタオルを広げて、今まで以上にたくさんの方々が広げている姿を見て…」
虎党に自らの言葉で退団を伝えたい。背番号「1」の誠意だった。
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