(セ・リーグ、ヤクルト5-1阪神、20回戦、阪神12勝6敗2分、25日、神宮)阪神・鳥谷敬内野手(38)が25日、神宮では今季最後となるヤクルト戦後、「自分も最後かもしれない」と自身の進退について重大発言をした。年俸4億円の5年契約最終年となる今季は出場機会が激減。この日も代打で遊撃内野安打と健在ぶりをみせたが、虎一筋16年の鉄人が現役生活にピリオドを打つ可能性が出てきた。
どんな日もグラウンドに立ち、戦ってきた。そんな男の口から、ついに「最後」という言葉がこぼれた。虎党が語りかけてくる三塁側ファウルグラウンドをゆったりと歩きながら、鳥谷が進退について重大発言だ。苦悩のシーズンも、最終盤に差しかかった。早大時代から立ち続けてきた神宮での今季最終戦だったがと問われ、こう語った。
「神宮というか自分も最後かもしれないので、いい打席だったと思います」
自分も最後-。聞きたくなかった言葉を、ここで自ら口にした。「いい打席」となったのは、1-5で迎えた九回一死走者なしだった。マクガフにカウント2-2と追い込まれながらも、しぶとく遊撃内野安打。相手の隙をついて二塁を陥れた(記録は野選)。今季は打率・211(76打数16安打)、0本塁打、0打点。5年契約最終年の16年目に残っているのは、厳しすぎる数字だった。
ただでさえ、昨年12月の契約更改交渉の席でも「野球を続けられるのか辞めなきゃいけないのか、大事な1年になる」と覚悟して踏み出した1年。「最後」ということが頭をよぎっていたのは、ファンだけでなく鳥谷自身もだった。