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ジョセフ日本強い!格上フィジー8年ぶり撃破、W杯イヤー釜石から最高の船出/PNC

震災からの復興を目指す岩手・釜石で行われた試合には1万3000人超のファンが集結。日本はフィジーに快勝し、スタンドを歓喜させた(撮影・宮崎瑞穂)

 パシフィック・ネーションズ杯(27日、岩手・釜石鵜住居復興スタジアム)復興半ばの東日本大震災の被災地で、桜のジャパンが成長した姿を見せた。「リポビタンDチャレンジカップ2019」で、世界ランキング11位の日本が9位のフィジーに34-21で快勝だ。1カ月以上に及んだ宮崎合宿での過酷な練習が実を結び、フィジーから5トライを奪って8年ぶりの勝利。初戦を白星で飾り、8強を狙う9月20日開幕のW杯日本大会へ大きな一歩を踏み出した。第2戦は8月3日、大阪・花園で世界13位のトンガと対戦する。

 1万3135人と満員のスタンドから、歓喜の声が降り注ぐ。新ジャージーを初めてまとった日本のフィフティーンはピッチの中央で大きな輪をつくり、喜びを分かち合った。

 「成長を感じました」

 前半33分に途中出場したFLリーチが満足そうに振り返った。同8分、SO田村のショートパントにWTB福岡が走り込んで最初のトライ。後半15分にはCTBラファエレのタックルで相手がこぼしたボールをWTB松島がドリブルして決めるなど、過去3勝14敗と苦手のフィジーから5トライを奪う完勝だった。

 定評のあるフィジーのランを止め、攻めては相手に走り勝った。その源は6月上旬から7月中旬まで3次に分けて行った宮崎市での合宿だ。激しいコンタクト練習でPR4人が負傷離脱。恥骨炎から復帰したリーチは約40分で7000メートルも動いた攻防練習の翌日と翌々日、練習に加わらなかったほどの厳しさだった。鍛えたフィットネスで、この日は攻撃でも防御でも常にフィジーを人数で上回った。


 ジョセフ・ジャパンのW杯イヤー最初のテストマッチは、東日本大震災の津波で多大な被害や犠牲が出た釜石で行われた。スタジアムは大槌湾から約400メートル、津波に流された小中学校の跡地をかさ上げして建設されている。前夜のミーティングでリーチは「ここでW杯が行われるまで、釜石の人たちがどれだけ苦労してきたか」「スタジアムの建て方の意味合い」などを伝えた。

 「外国出身選手も、ここでやる意味を理解した」とチームを好リードした田村。この地で試合をする意義を、選手たちは感じていた。

 「一番成長できたと思うのが、後半22分」

 リーチは力強く口にした。フィジーに3トライ目を許し34-21と追い上げられたあと、リーダー陣で集まり、キックを極力控えてボールを保持するなど手堅い戦い方に変更。このまま試合を終わらせ、勝ち切った。

 ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(49)は「大変な苦労をした釜石の人たちの前で、いい試合がしたかった」と及第点。「ただ、どのチームもフィットネスを万全にしてW杯に乗り込んでくる」。指揮官に浮かれたところはなかった。 (田中浩)

「予想していた通り、タフな試合になった。日本は出だしが非常に良かった。リードされ、解決策を見つけようとしたが、日本の防御が強固だったので難しかった」


★こんなところでW杯予行演習

 スタジアムはW杯の試合会場で唯一の新設。本番を想定した運営が行われた。

 ◆売店 飲食など20店舗が開店。W杯と同じ業者が価格や商品など大会仕様で販売した。

 ◆遠隔通訳 試合後のチームの記者会見は英語と日本語で同時通訳されたが、通訳者は東京にいて、マイクとイヤホンを通じての遠隔操作。

 ◆セキュリティーチェック 観客の入場ゲートでは係員が荷物をチェック。キックオフ1時間半前には最寄りの鵜住居駅から約500メートルの列もできたが、大きな混乱はなかった。

 ◆観客輸送 課題があるとされていたが、シャトルバスなどが運行され、大きな混乱はみられなかった。担当者は「改善点を詰め、W杯では万全を期したい」と表情を引き締めた。

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