今月上旬の女子ツアー「リゾートトラストレディス」で、原英莉花(20)=日本通運=が初優勝を遂げた。アマチュア時代は無名の存在だった原が勝てるようになった理由は、千葉県内にある尾崎将司(72)=I.S.T=の練習場に通い始めたことだった。ジャンボがジュニアゴルファーを指導している「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」に潜入し、その指導の模様を2回に分けてリポートする。 (取材構成・稲垣博昭)
多くの逸材がひしめく1998年度生まれの黄金世代の中でも、有力選手の一人に成長した原。その初Vの原動力は、まさに抜群の練習環境が整ったジャンボ邸から生み出された。
「やる気ある子供たちに、この環境を利用してもらいたい。それが一番。環境は人を育てる」
快晴の今月16日。千葉県内の尾崎邸には日曜の早朝からジュニアゴルファーが集結した。
ショット練習場からネットまでは約280ヤード。手入れされた大きな2面のグリーン。周囲にはバンカーが約100メートルも囲んでいる。総面積は非公表だが、広大な敷地にジャンボ特製の練習器具も備わり、これ以上ない虎の穴だ。
この日は、男子で昨年の「TOMAS杯フジサンケイジュニア選手権」を制した澤田響(19)=東京国際大1年=や女子で「全国小学生ゴルフ」優勝の実績をもつ17歳の望月美甫(ルネサンス高2年)ら総勢11人(男5人、女6人)が汗を流していた。
午前中は特製の器具を使って体幹トレーニング。バンカー内で砂袋が乗ったそりを引いたり、芝生の上でそりを押して斜面を駆け上がったり。その後は約1キロの短尺ドライバーでソフトボールを打ち込んだ。