このQOの金額を残り試合数で換算すると約13億円。ブ軍との合意額が上回っており、辛うじて「QO以下」は免れたものの、FAと強気の交渉が裏目に出たという印象は否めない。
今季のブ軍はナ・リーグ東地区でフィリーズと首位争いの真っ最中。1試合平均の球数がナ・リーグワースト2位の86球という若い先発投手陣が不安材料なだけにカイケルの加入は大きい。1年契約なら金銭面でのリスクも少なく、安い補強だろう。
近年のFA市場では30歳を過ぎた投手の苦戦が続いている。FA前に所属球団と大型契約を交わすケースが、今後も増えそうだ。
■田代 学(たしろ・まなぶ) サンケイスポーツ編集局次長。1991年入社。プロ野球や五輪担当などを経て、2001年から13年11月まで米国駐在の大リーグ担当キャップ。全米野球記者協会の理事や、13年ワールドシリーズの公式記録員を日本人記者で初めて務めた。米国での愛称は「ガク」。
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