大阪・新歌舞伎座特別公演(7月5~18日)で自身初の座長を務める演歌歌手、市川由紀乃(43)が14日、大阪市内で意気込みを語った。
「とにかくセリフの量も歌も多くて…。でも、座長公演は、歌手になったときから叶えたかった夢。緊張感があります」
1部の芝居「人生いろいろ~島倉千代子物語~」では、2013年11月に亡くなった歌手、島倉千代子さんの半生を演じる。
「新人のころ、2回ほどお会いしましたけど、子供のころからテレビで見ていた人。あまりに緊張して…。島倉先輩の楽屋に新人が一列に並んで、ごあいさつさせていただくだけで精一杯。あたたかく『がんばってね』といってくださいました」
16、17年とNHK紅白歌合戦に出場した市川は以前から芝居にも興味が。すると今年3月、名古屋・御園座で1カ月公演を行った五木ひろし(71)から「いつか座長公演をしてほしい。そのために学んで」と相手役に指名された。
「歌は自分1人で歌って演じるけれど、お芝居はチームワーク。自分のセリフを覚えていればいいわけじゃない」
そんな芝居のイロハを五木から学んで臨む初座長公演。3月末には、東京・北品川の東海寺大山墓地に眠る島倉さんの墓前に報告した。
このとき、島倉さんが生前愛用し、今回の舞台で市川が着る着物を羽織ると奇跡が。
170・5センチと長身の市川と「10センチ以上違う」ため、「私ももっと身長が低ければなぁ」と思っていたが、どこも直すところがなく、洋装時にはく靴のサイズまで「おかげさまでピッタリでした」とほほ笑んだ。
2部の「オン・ステージ~令和の夢~」では7月3日発売の新曲「雪恋華」や「心かさねて」などのヒット曲に加え、歌謡曲も披露する。
稽古は来週から。「いろんな意味でのプレッシャーは感じながらも、私自身、楽しみたい」。大阪の暑い夏に熱演熱唱を誓った。