琴ノ若は小3のときに交わした「おじいちゃんとの約束」を忘れてはいない。先代師匠はいった。「お前が(横綱、大関に)上がったら、しこ名をやる」。
先代師匠の故郷、鳥取・倉吉市にある「琴桜記念館」には、地元の「打吹山」と桜をあしらった化粧まわしが展示されている。運営する倉吉市商工観光課は、名古屋場所で「琴ノ若関にこの化粧まわしを締めて土俵入りをしてほしい。すぐにでも準備を整える」。
琴ノ若は天国の先代師匠に「ヒヤヒヤさせない相撲を取りたい」。祖父は新十両だった昭和37年名古屋場所で11勝を挙げて、いきなり優勝を飾った。同じ名古屋で、その猛牛の血が騒ぐ。 (奧村展也)
「ちょっとずつ実感が湧いてきた。簡単に崩れない押し相撲の形をつくりたい。兄と一緒に頑張って親孝行したい」
★新十両アラカルト
◆琴ノ若 師匠の佐渡ケ嶽親方とは史上10組目の親子関取。琴ノ若にとって元横綱琴桜は母方の祖父で、親子三世代にわたる関取誕生。
◆一山本 相撲や他競技で一定の実績を持つ志望者を対象に、新弟子検査の年齢制限を25歳未満に緩和した新規定の適用第1号。北海道・福島町役場勤務を経て入門。
◆木崎海 十両美ノ海の弟で、史上21組目の兄弟関取。
◆竜虎 師匠の尾上親方(元小結浜ノ嶋)は叔父。
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