(パ・リーグ、ソフトバンク7-11西武、7回戦、ソフトバンク5勝2敗、14日、北九州)夕暮れの北九州の空を舞い、白球は左翼場外へ消えた。青森の実家がリンゴ園の「リンゴスター」こと西武・外崎修汰内野手(26)が、復活の「アップルパンチ」で獅子を目覚めさせた。
「真っすぐにタイミングを合わせていたけど、いい感じで振れました」
1点を追う二回1死二、三塁。打率・203と不振だった9番打者が、椎野の125キロのスライダーを完璧に捉えた。逆転の5号3ラン。ホームを踏み、中村と力強くハイタッチすると、雄たけびを上げた。
チームは令和に入り、圧倒的打力で優勝した昨季の破壊力が影をひそめていた。5月は12日までの11試合で4勝7敗。その間のチーム打率・214、平均3・7得点。外崎も9日のロッテ戦で先発を外れるなど、苦杯をなめた。この一発が号砲となり、三回には秋山、山川が2者連続ソロ。2点差に迫られた五回には中村が6号3ラン。中堅119メートル、両翼92メートルの狭さを補う5・2メートルの外野フェンスを軽々と越え、球団で今季初めて4本塁打が宙を舞った。
外崎は4月6日以来の1試合3安打。「こんな結果なのに使って頂ける。苦しい中でも頑張ろうと思えます」と感謝した。先発全員安打で4時間18分の乱戦を制した辻監督は「外崎は見事だった。頼もしい」とご満悦。昨季王者が完全アウェーの北九州で、逆襲ののろしを上げた。 (花里雄太)
「早いカウントから思い切りいこうと打席に入った」
「自然体です」
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