米大リーグ、ドジャースで4年目に突入した前田健太投手(31)が不定期で連載するコラム『マエケンmind』。今年の第2回は独自の調整方法について語った。今季、メジャーの日本投手で最多の4勝をマークしている右腕は100球以上の投げ込みをせず、登板間のブルペンでは15球にとどめる。けがの予防に加え、プロとして行き着いた重要な思考法が明かされた。
驚かれるかもしれません。僕の中4、5日の登板間でブルペンで投げる球数はわずか15球です。しかも、力の入れ具合は6~7割。この調整方法は広島カープに在籍した2014年から、メジャー移籍後も一切、変えていません。そんな少ない球数で練習になるのか?と思いますよね。
広島時代、僕は基本的には中5日で先発ローテーションを回りました。日本の他球団では通常、中6日。年間200イニング以上を投げ、1年間合計の球数が、プロ野球の投手の中で最も多かったシーズンもあります。そのデータを目にしたとき、危機感が芽生えました。将来の野球人生を考えたら故障のリスクを減らすべきだ、と。試合で球数を少なく乗り切ることは、優先すべきことではありません。抑えること、チームの勝利が最優先。試合状況によっては球数が多くなります。では、どうするか。
ブルペンでの球数を減らすしか手段はない。そこで、登板間のブルペンでの球数を30球、減らす決断をしました。45球から15球へ。ルーティンの変更は、すごく勇気が必要でした。先発当日のブルペンでも45球から30球に。年間で30試合に先発すれば、合計1300球以上も肩の消耗を防ぐことにつながります。数年単位で換算すれば、何千球と節約できる。
なぜ、球数を減らすだけが手段なのか。「けがをしない投球フォーム」の正解が、僕には分からないからです。故障しないフォームを追求したことはありません。より速い球、いい変化球を投げて、打者を抑えられる投げ方を練習してきたからです。確実に故障リスクを軽減できるのは、球数制限だけと考えました。