五回、三振に倒れた近本。その後、クラブハウスに引き揚げた(撮影・水島啓輔) (セ・リーグ、阪神7x-5DeNA、9回戦、阪神7勝2敗、5日、甲子園)劇勝にも、痛みが伴った。D1位・近本光司外野手(大阪ガス)が背中の強い張りを訴えて六回の守備から退き、ベンチに入らずクラブハウスに引き揚げた。14試合ぶりにスコアボードから『ちかもと』の名前が消えた。
「大丈夫です」
試合中にグラウンドから去っていたルーキーは試合後、広報を通じてコメントを発表した。
突然だった。1-1の二回1死一、二塁では一時勝ち越しの左前適時打。3試合13打席ぶりの「H」ランプを灯すと、五回には守備で2死一塁から中井の中前打をD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)に素早く送球し、一走を三塁で刺し、ピンチを免れた。その裏の攻撃では先頭打者として、三球三振に倒れたが、顔色を変える様子はなかった。
しかし直後、満員の甲子園がどよめいた。グラウンド整備が終わると、交代のアナウンス。4月20日巨人戦(甲子園)から「1番・中堅」で13試合連続フル出場中だったリードオフマンが、突然消えた。背中の異変を訴え、自ら交代を申し出ていたという。
矢野監督は「明日は大丈夫かな、と思ってるんだけど。明日以降もあるんでね。そういう部分でちょっと代えました」と大事をとったことを説明したが、不安げな様子は隠せなかった。病院には行かず電気治療を施し、きょうから始まるヤクルト戦(神宮)にも参戦する予定だというが…。
チームトップの打率・316で、もはや欠かせない存在となったルーキーに生じた不安。大事にならないことを祈るばかりだ。 (大石豊佳)
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