中日・与田剛監督(53)が試合中、左手の指を口に当てている姿が、テレビのナイター中継で映し出されて「あれはなにをしているの?」とネット上などで竜党の話題になっている。
その真相を、与田監督が明かした。
「指笛ですよ。打席に入る前の選手を呼ぶときにスタンドの歓声が大きくて声が届かないことが多くて。あれだと、僕が呼んでいることがわかるみたい。でも、みんなが僕の方をいっせいに振り向くから…。逆にこまっちゃいますね」
さらに、左手の親指と人さし指の先をくっつけて輪の形を作り、それを口の中に入れて「大きく息を吹きかけると音が出る」と解説。実演は「ちょっと…」と丁重に断られたが、チーム関係者によると、かなりの高音がベンチ内に響き渡るそうだ。ちなみに、記者は指笛を鳴らそうと試みるもスースーという音しか出なかった。
開幕から14試合。与田監督がベンチ内で、口を大きく開けて、選手に声かけしているのを記者席のモニターを通して何度も目にした。
「選手に『試合中、ベンチで声を出せ』と言っている僕が黙っているわけにはいかないですからね」
声の出し過ぎが原因で、試合後の会見でせき込んだり、声がかすれることも…。そこで試合中、選手に指示を出すときにときの秘策が「指笛」だった。
4月13日の阪神戦(甲子園)で勝ち、2016年6月以来、1046日ぶりの貯金をもぎとった中日。1日で勝率5割に逆戻りしたが、ここ3年の低迷を考えれば大健闘だろう。
「しっかり課題を克服しないと上位に上がるのは難しい。もっと勝率を上げていかないと(ダメ)」
就任1年目。「よくやっている」という声を耳にするが、現状に満足はしていない。秋には、優勝争いで盛り上がるナゴヤドームのスタンドの歓声を打ち消すために、指揮官の指笛の音量が、さらにパワーアップしている-と期待したい。(三木建次)
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