新元号、令和の発表を祝うような満開の桜を見上げる石井さん=東京・赤坂(撮影・中井誠) 大正15(1926)年生まれで、昭和、平成と駆け抜けてきたテレビプロデューサーで演出家、石井ふく子さん(92)が1日、サンケイスポーツの取材に応じ、新元号「令和」について「『人に礼を尽くし、和でまとめる』という感じを受けました」と第一印象を口にした。
TBS系ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」などで知られる石井さんは、元号発表の瞬間をテレビで視聴。5月1日に3度目の改元を経験することになるが、「実感がわかないわね。年号が変わることで、いい国になっていけば」と願った。
女学校時代の国語教師は、「万葉集」の影響を受けて「新万葉集」を審査員として選歌した歌人、与謝野晶子で、新元号が「万葉集」から引用されたことに感慨もひとしお。「身分に関係ない人たちの歌を記した日本最古の歌集。新元号は響きもいいし、私の好きな『なごむ』も入っています」と喜んだ。
一方で、戦時中は学徒勤労動員を経験し、19歳のときに疎開先の山形の神社で終戦を伝える玉音放送を聞いただけに「『令和』は平和を思い起こす響きもありますね」としみじみ。「戦争はいけないことだけど、当時は人とのつながりが深かった。価値観が多様化して、いろいろなことがあると思うけれど、自分なりの考え方を胸に秘め、いつでも動じない心を持って、相手に対する行動をとってほしい」と新時代を生きる人へ言葉を寄せた。
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