「手汗がすごかったです…。(あれで)ふっと我に返ったというか」
守でリズムを作ると、バットでも流れを呼び戻した。小川の前に打線が沈黙し、0-1で迎えた六回。2死からD3位・木浪が遊ゴロ失策で出塁すると初球チェンジアップをとらえた。右中間を破るプロ初安打は、千金の同点三塁打。虎のルーキーが開幕スタメンで適時打を放つのは、1956年の大津淳以来、実に63年ぶりとなった。
矢野監督は「初球にああいう形で点を取れたというのは相手に与えるダメージも大きかったし、いい1点」と絶賛。矢野1期生となるドラ1が起用に応え、攻守の活躍でチームに3年連続の開幕星をもたらした。
大阪ガス時代、都市対抗で優勝し、橋戸賞も受賞した逸材。最後の試合となった昨年11月27日のオーストラリア遠征は、阪神入団が決まっていたたため出場しない予定だったが…。「出たいです! 出させてください!!」。志願して代打で出場。空振り三振も、チームへの感謝と、自分なりのけじめをつけて、プロの世界へ飛び込んだ。
2月の春季キャンプ中には木浪ら若手と福留会に参加。打撃投手やブルペン捕手と一緒にアグー豚のしゃぶしゃぶを囲んで、教えを受けた。
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