1月に開催された「第4回スプラトゥーン甲子園」で連覇を果たした人気eスポーツチーム「GG BOYZ」(ジージーボーイズ)のリーダー、たいじ(27)がサンケイスポーツのインタビューに応じた。たいじがプロ契約を結ぶ株式会社CyberZ(サイバーゼット)は、ゲームのプレー動画共有サービス「OPENREC.tv」(オープンレック・ティーヴィー)を運営。ゲーム実況の配信と今後について、たいじと同社の青村陽介取締役(32)に聞いた。
たいじは会社員時代から、ゲームをプレーしながら自ら実況もする動画を投稿するストリーマー(ゲーム配信者)として有名だった。大人気の対戦型アクションゲーム「スプラトゥーン2」(任天堂)の世界では、「スプラの王」と称されるほどだ。
2017年7月にCyberZと契約し、プロに転向。同11月にプロeスポーツチーム、GG BOYZを結成した。チームは昨年、世界大会を制しただけでなく、今年1月には全国大会「スプラトゥーン甲子園」で連覇を達成した。
たいじ 「24歳ぐらいまで働きながらゲーム配信をしていて、他のプロチームにも誘われましたが、やるなら一からチームを作りたかった。そこでOPENRECさんに相談しました」
再生回数などに応じて収入を得るプロのストリーマーにとって、配信メディアの選択は重要。青村氏は「僕らとしても支援したいと考えていて、意見が合致しました」。OPENREC.tvでたいじが連日動画を投稿する「たいちゃんねる」のフォロワー数は10万5000人超、総再生回数は5600万回超(20日現在)にのぼる。
たいじ 「もともと他のサイトで配信をしていましたが、もっといい画質で配信したいと考えていた。OPENREC.tvは高画質で配信できて、配信者も視聴者も見やすい。特にスマートフォンのアプリは、ゲーム配信中もコメントが見やすくてコミュニケーションが取りやすい。気に入っています。コミュニケーションは大事。コメントしながら見るというのが基本です」
eスポーツにとって、ゲーム配信は重要な入り口だ。プレーヤーにとっては、スターになるチャンスが眠る場所。ファンはスターの技術を実際に見てまねをすることでゲームの楽しみや攻略法を知る。メーカーにとってはゲームタイトルを世界に広め、eスポーツとして成立する可能性の源泉となる。配信しやすさ、見やすさ、双方向のコミュニケーションが必須で、その舞台をOPENREC.tvが整えているという構図だ。
たいじは昨秋、野球ゲーム「実況パワフルプロ野球」(コナミ)のeスポーツ「パワプロ・プロリーグ」に参戦。巨人に所属して二刀流の活躍を見せた。
たいじ 「別のタイトルのプロになって、そこで会った選手と交流して、こだわりや考え方を聞くことができて参考になりました。元プロ野球選手の講習会で大舞台でのメンタルの保ち方などを学べましたね」
あくまで主戦場はスプラトゥーン。今年は日本野球機構(NPB)がスプラトゥーンのeスポーツ大会を初開催し、GG BOYZも参戦する。
たいじ 「スプラトゥーンの大会で勝つことが目標。食べるものに気を付けたり、ジムと契約したり、よりプロフェッショナルになりたい。最近は妻がバランスを意識した料理を作ってくれて、痩せることができました」
王はちょっぴりはにかんだ。やはりプロはストイックだ。
★新技まねする「たいじキッズ」
サンケイスポーツ編集局に勤務する「たいじファン」の女性が魅力を語った。「たいじさんが新しい技をプレーすると、みんながまねをする。『たいじキッズ』という信者がいます」
オンラインゲームではキャラクターや武器のパラメーター(能力値)が頻繁に変更される。「新しい武器を試すときに上手な人を参考にしたい。実況が先生なんです」という。
ゲーム実況画面には、ファンの感想や驚きなどコメントが流れる。そこでの神対応もたいじの魅力。「私が投稿した質問のコメントに返事をしてくれたことがあります。ずっとおしゃべりしながらプレーして、コメントも拾ってくれる。どんな頭の回転なんでしょうね」とゾッコンだ。
★eスポーツ大会を主催
OPENREC.tvを運営するCyberZは、エイベックス・エンタテインメントとeスポーツ大会「RAGE」を主催。年間を通じて複数ジャンルのゲーム大会を開催し、最強王者を決定する。季節ごとのトーナメントのほか、昨年12月には優勝賞金100万ドル(約1億1000万円)のシャドウバースの世界大会が開催された。「もともとOPENRECのコンテンツとして始めましたが、現在では1万人ぐらいの集客ができるようになりました」と青村氏。シャドウバース、ストリートファイターではチーム戦のプロリーグも開催されている。
プレーヤーが自ら実況解説しながらゲームをプレーした動画を配信すること。現在ではOPENREC.tvをはじめとする配信プラットフォーム、スマートフォンの配信アプリを通じて行う。
本来、ゲーム内の静止画、動画は著作権で保護されているが、動画配信サイトのパートナープログラムなどで収益を上げるプレーヤーが現れたことで、メーカー大手の任天堂は昨年、著作権利用のガイドラインを発表。同社ゲームの実況動画を投稿した「個人」が、同社が指定する配信サイトのパートナープログラムなどで収入を得ることを許可した。