新年を迎え、プロ野球選手のオフの自主トレが本格化する。巨人・田原誠次投手(29)は、今年は現役7選手の大所帯を率いて岡山・倉敷で約2週間、体をいじめ抜く。
宮崎・ウルスラ学園高卒業後に三菱自動車倉敷オーシャンズでプレーした縁で、毎年1月に倉敷を拠点として自主トレを行っている。例年、重視するのは股関節の柔軟性向上。加えて、昨年はヨガ、今回は姿勢のゆがみ矯正や体幹強化を目的としたピラティスなど、専門のインストラクターを招いてのユニークなトレーニングもどんどん導入する。
田原と同じ横手投げの投手が多く集まるのも特徴だ。今年は巨人・池田、元巨人の打撃投手で、今季は再び選手として復帰する長谷川、DeNA・寺田、阪神・守屋、同・尾仲、日本ハム・公文で田原組を結成した。
近年の球界では珍しくない大人数での合同自主トレ。まれに否定的な声もあるが、田原は「単独、少数でやるメリットもあると思うけど、僕はいっぱいいた方が頑張れる」と、球団や競技の枠を超えた集団での合同自主トレに利点を見いだしている。
「一番年上ですけど、僕が学んで吸収したいので。この人はこうやってやるんだ、こういうやり方があるんだ、という発見がいつもある。人材は多い方が学べることが多い」
合同自主トレでは積極的に意見交換も行い、野球、トレーニング論を吸収する。知人のゴルファーやトレーナーにも意見を請う。シーズンに入れば、自主トレ仲間の活躍が刺激になる。そんな相乗効果を意識して、田原は人数を気にせず、自主トレ志願者を受け入れたり、自ら誘ったりしてきた。
プロ7年目の昨季、29試合に登板して2勝0敗、防御率2・56。来季こそ勝利の方程式入りが目標だ。田原組での学びや挑戦でレベルアップを図り、2月1日の春季キャンプスタートに備える。(谷川直之)
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