プロボクシング・トリプル世界戦(30日、東京・大田区総合体育館)井上拓は勝利を最優先した試合内容だった。公開練習では気持ちよく右ストレートを打ち、軽快にサイドに動いていた。だが想定以上に相手のプレスを受けた影響もあり、練習通りの動きはできなかった。
それでも終始、ウイービング(顔や上体を前後左右に振る)、ダッキング(上体を前に屈める)をして右ストレート、左フックをしっかり当ててポイントを確実に重ねたことが、勝利につながった。王者といえども、まだ暫定。正規を目指して課題を修正してほしい。
伊藤は相手の手の内を完全に読み切って、会心の内容だった。拳四朗は打つボクシングに徹したが、相手との距離が想定以上に近くなって右ストレートを打ち込めず、決定的な場面を作れなかったことが悔やまれる。(サンケイスポーツ評論家)
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