背番号16、4年総額10億円での合意。条件面では虎が劣勢だった。特にソフトバンクの提示は4年総額20億円を超えたとみられるが…。「やっぱり環境を変えたくなかったので。たくさん悩んだんですけど。そういう結果になりました」。阪神は初交渉から谷本球団副社長兼本部長が「関西に残ってほしい」と訴えた。家族の負担も少ない。甲子園の黒土マウンドへと気持ちが傾いていくのも、必然だった。
4万5000人を超える観衆の中央で、最下位から歩み出す矢野虎を勝たせることが使命だ。「矢野監督からは『ファンを喜ばせたい』という言葉がありましたので、自分自身、本当に球場に来てくれる方とともに、しっかり頑張りたいと思いますので、そういう言葉を聞けて本当にうれしかったです」。すでに心は1つ。28歳と若く、頼もしいノーヒッターが新たな柱として加わる。今季終盤は不調の投手と故障者が重なった虎。西が反攻の旗手になる。
「1年間けがなく投げきることが大事だと思っているので。キャンプから、けがをせずにベストな状態で、何とかチームの勝利に貢献できるように。1イニングでも長く投げたいと思います」
どれだけ必要とされているかは、十分に伝わった。求められるモノも、重圧も大きいのは承知の上だ。
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