米ユダヤ系団体が11日(日本時間12日)、原爆のきのこ雲がプリントされたTシャツを過去に着用したことで、日本のテレビ出演が中止になった韓国の男性音楽グループ「BTS(防弾少年団)」が、これまでナチスを想起させる衣装や旗を使用していたとして非難。「日本の人々とナチスの被害者に謝罪すべきだ」と声明を出した。BTSを巡る騒動は日韓両国の間を超え、世界にも広がった。
米ロサンゼルスに本部を置く世界最大級のユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」は、「BTSは日本の人々とナチスの被害者たちへ謝罪する必要がある」と公式ホームページ上に声明を出した。
同センターのエーブラハム・クーパー副所長は「長崎への原爆投下と被爆者をあざ笑うTシャツを着たことは、過去をあざけるこのバンドの最新の事例に過ぎない」とBTSを厳しく批判した。
さらにクーパー氏は、所属会社に対しても「宣伝などにおいて、過去の記憶を安易に誹謗(ひぼう)してきたことは明らか。韓国や世界の若者たちが、歴史の教訓を消し去ることを助長してしまう」と謝罪を要求した。
同センターは、BTSのメンバーが過去にナチス親衛隊の記章があしらわれた帽子をかぶり、公演で「気味悪いほどナチスの鉤十字に似た」BTSの旗を振るなどのパフォーマンスを行ったことを問題視した。
BTSを巡っては今月8日、テレビ朝日が翌9日の音楽番組での出演予定を見送ると発表。過去にメンバーが、原爆のきのこ雲や、終戦で朝鮮半島の人々が万歳をする写真、「われわれの歴史」「愛国心」などとプリントされたTシャツを着用したことに言及し「総合的に判断した」と説明した。
BTSには、過去のミュージックビデオでも原爆の写真がプリントされたブルゾンを着ていたことなどが指摘されている。
この記事をシェアする