9回 右適時打を放つ巨人・田中俊=東京ドーム(撮影・長尾みなみ) (セ・リーグ、巨人6x-5中日、20回戦、巨人13勝7敗、19日、東京D)3人で終えた巨人の八回の攻撃を見る限り、勝負は決したと感じていたが、巨人の選手は違っていたようだ。九回は、それぞれが高い集中力で打席に立ち、仕事をした。4点差をひっくり返すなんて、簡単にできることではない。大きな1勝だ。
若手の成長を感じた攻撃だった。九回一死一塁で山本が四球、代打・大城が1点差に迫る適時二塁打、田中俊が同点打。自信になるだろう。特に、この日3安打の田中俊は15日に先発で起用されてから攻守に目覚ましい活躍を見せている。プロ野球に慣れ、落ち着いてプレーできているように感じる。
投手では今村の粘投が収穫だろう。13安打されながら7回を2失点でしのいだ。直球は140キロ前後で、これといった決め球もないが、ゆったりとしたフォームは打者の打ち気をそらし、どの球種も制球がいい。調子が悪くても、この日のように大崩れしないタイプだ。
今後、巨人が浮上するためには、菅野、山口俊が投げる試合に必ず勝ち、その他の投手が投げる試合を勝率5割でしのぐこと。その点でも今村の存在は重要になる。(サンケイスポーツ専属評論家)
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