ベティスの背番号14のユニホームを掲げる乾(左)とベティスのアラルコン氏。超VIP待遇での会見だった(撮影・戸加里真司)
ギャラリーページで見る 日本代表MF乾貴士(30)のスペイン1部、ベティスへの加入記者会見が12日、東京・港区のスペイン大使館で開かれた。スペインのクラブが選手の母国で入団会見を開くのは初で、背番号は同代表と同じ14に決まった。3年契約で年俸は推定で3億円。W杯ロシア大会で日本選手でただ一人、2得点するなど結果を出した男は、サムライ魂で4年後のカタール大会へつなげる決意も示した。
白塗りのスロープを下った先にある大広間。一流ホテルの会議室を思わせるスペースでMF乾の入団会見は開かれた。ベティスでのサッカー人生は東京のど真ん中、六本木1丁目から始まった。
「自分はもう30歳だしこれが最後の移籍。挑戦したい気持ちが強くなった。あとはプレーで見せるしかない」
6月1日にエイバルからベティスへの移籍が正式に決定。その後のW杯ロシア大会では、強烈なミドルシュートを2本決めるなど、日本の16強進出に貢献した。世界的な評価を急上昇させた乾は「まずは攻撃でチームに貢献したい」。新天地でも高校時代に一世を風靡(ふうび)したセクシーフットボールでのゴール量産を誓った。
背番号は14。W杯で付けた番号で、自ら希望した。昨季まで14を付けていた選手が退団したため空き番号になっており、すんなりと決定した。エイバル残留かベティス移籍かで悩んだが「ベティスのパスサッカーは魅力的だった。やりたいサッカーに近かった」と移籍を決意した。
「ここでは、2年(実際は3年)契約。4年後のことはあまり見ていないが、また選ばれたらいいと思う」
2022年W杯カタール大会での活躍も見据えた。チームに不可欠な存在となり、契約延長を勝ち取ればおっさんとして再び日の丸戦士になる可能性は十分にある。
スペイン1部のクラブが母国で入団会見を開くのは初の偉業。期待を一身に受けた三十路の乾が、34歳になるまでサムライ魂を持ち続ける。 (宇賀神隆)
★乾貴士のW杯VTR
◆1次リーグ・コロンビア戦 左MFでW杯初出場。前半は絶好機を逃す場面もあったが、後半はDF長友と左サイドで守備でも奮闘。日本の2-1勝利に貢献した。
◆同セネガル戦 MFで先発出場。先制を許した前半34分にペナルティーエリア内でボールを受けると右足でゴール右下に突き刺した。1-2の後半33分には左から折り返してMF本田の同点弾をおぜん立て。同42分に退いたが1ゴール1アシストの活躍。
◆同ポーランド戦 ベンチ入りしたものの出番はなかった。
◆決勝T1回戦・ベルギー戦 1点リードの後半7分、ペナルティーエリア外から右足で無回転のミドルシュートを決めた。日本選手3人目の1大会2ゴールをマークするもチームは2-3で逆転負け。
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