歌人、俵万智さん(55)が12日、TBS系「サタデープラス」(土曜前8・0)にVTR出演。1987年に出版され280万部のベストセラーとなった歌集「サラダ記念日」の表題になった一首「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」について意外な真相を明かした。
俵さんは「サラダ記念日」の「サラダ」が実はカレー味の鳥の唐揚げであったと告白。この一首を思いついた場面について「野球を見に行ってその時私がお弁当を作って行ったんですね。普通の唐揚げじゃつまんないなと思ってカレー味にしたら一緒に行ったボーイフレンドがすごい気に入ってくれて。よかったウケた。よろこんでくれた。じゃあ今日は記念日だな」と説明。また唐揚げがサラダに変わった理由については「唐揚げとかではヘビー過ぎるし、メインがおいしいよりサブがおいしいほうがより記念日にすることに意義があるんじゃないかと。ささやかなものがおいしい。でもそう言ってくれたことが記念日になるっていう方がより効果があるような気がして『サラダ記念日』いいんじゃないって思ったんですね」と細かな分析があった上での表題だったという。
さらに、俵さんはこの一首に隠されたもう一つの嘘について告白。「七月六日」という日付についても「七月でもなければ六日でもなくて、もうちょっと早い季節だったような気がするなあ」と振り返り、「サラダがおいしいっていうのは野菜に元気が出てくる季節かなと思って。六月とか七月初夏の感じ。七月の『し』の字、『し』っていう音とサラダの『サ』。S音が響きあうとすごくさわやかになるんですね日本語って」と表現の手法も交え解説。続けて「七夕っていうのもちょっと思ったんですけれども、七夕とかバレンタインとかクリスマスイブが恋人の記念日ってのはみんなそうじゃないですか。そうじゃなくてなんでもない日が記念日になることに意義がある。じゃあ七夕の前日ぐらいが良いかなあって思って七月六日と相成りました」と大ベストセラー誕生の裏側を語った。
また俵さんは番組スタッフから「起きた出来事そのままで」と一首求められ、「カレー味の唐揚げ 君が『おいしい』と言った記念日 六月七日」とよむと「ダメですね」と苦笑した。
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