(オープン戦、巨人8-1ヤクルト、4日、東京D)ヤクルトから、「変わろう」という強い意識が、ひしひしと伝わってきた。見落としがちな、何気ない動きの中に、それが表れていた。
ルーキーの大下が登板した四回だ。
一死から吉川尚に二盗を許すと、二塁の山田哲が、走者を目で抑えるよう、ジェスチャーで大下に伝達。二死後、打席に阿部を迎えると、一塁の畠山も、ベースカバーを忘れないよう、身ぶり手ぶりで指示していた。
左翼のバレンティンも、中堅・青木が飛球を処理した際、しっかりとカバーに回っている。一回に三ゴロに倒れたときも、全力疾走した。
シチュエーションに応じ、それぞれがやるべきことを、きめ細かく、ソツなく、こなしていた。
プロだから、当然といえば当然だ。しかし、個人の調整段階でもあるオープン戦では、意外と難しいことも事実だ。
主力、ベテラン、そして、怠りがちな助っ人にまで、小川監督と宮本ヘッドコーチらの指導が浸透している。チーム全体が意識を共有している。今年のヤクルトには、間違いなく変化の兆しがある。 (サンケイスポーツ専属評論家)
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