目を疑った。大きな体を丸め、中学生のボールを受けている。そう、ロサリオが少年野球教室でまさかの捕手デビューだ。
「ずっと、(捕手を)できていなかったからね。彼はいいボールを投げていた。将来が楽しみだよ」
本人が上機嫌で振り返ったシーンはコーチ陣が球場を後にしてから起こった。長坂らがいた捕手指導のコーナーに現れると、おもむろにミットを装着。腰を下ろして、乾いた捕球音を宜野座ドームに響かせた。わずか26球ながら、実力を垣間見せた瞬間だった。
隣にいた片山ブルペン捕手は「うまいよ。そら、メジャーでレギュラー捕手をしていたわけだから」と太鼓判。初バッテリーとなった宜野座ゴールデンオーシャンの大城真乃くん(中学3年)も「体が大きくて、投げやすかった」と驚いた。メジャー通算323試合でマスクをかぶった経験は伊達じゃなかった。
「4番・一塁」が新助っ人に期待される定位置。金本監督が「万が一のときに、捕手ができるのは心強いわな」と、第3捕手としてのプランを口にしていたものの、さすがに捕手姿がお披露目される可能性は低いとみられていたが…。思いがけないところでベールを脱いだ。
「とても充実した1クール目だった。これを続けたい」
フリー打撃では52スイングで最長135メートル弾を含む13本のサク越え。今季初実戦となる7日の紅白戦の出場も決まった。キャンプ第1クールは最後までR砲が話題を振りまいた。 (小松真也)