「ビックリしました。自分が…って」。昨年末、球団に呼ばれたときのことを振り返るのは尾仲祐哉投手(22)だ。フリーエージェント(FA)移籍した大和選手の人的補償で、DeNAから加入してきた虎の新しい仲間だ。
「1年間で慣れて、いろんな先輩方によくしてもらってたし、寮も過ごしやすかった。1週間くらいはさみしいなって思っていました」
そりゃそうだ。ドラフトで指名されて「さぁ、ベイスターズで頑張るぞ!」と決意して1年で、ほかのチームに移るなんて…。心中察するにあまりある。
さみしさを感じていた尾仲投手に、山崎康晃投手や今永昇太投手ら先輩たちが次々と声をかけてくれたそうだ。「いろんな先輩に、ごはんに連れていっていただいて、『逆にチャンスだぞ』『声がかかったというのは、いい評価をしてもらえたってことだぞ』と言ってもらえて、確かにそうだなって思えました」
前向きに気持ちを切り替えられた。
年末は地元の福岡で今永投手や小野泰己投手と一緒に自主トレをし、今永投手からは新球のヒントをもらったという。
「先発になるか中継ぎになるかわからないけど、変化球をひとつでも増やしたいなと思って…。右バッターに対してまっすぐとスライダーの速い系しかないんで、少しでも緩い変化球で緩急をつけられたら」と、習得に取り組んでいるのはカーブだ。
「今永さんから握りや放す感覚を教えてもらって、キャッチボールで取り入れているんですけど…難しいですね」と苦笑い。なんとしてもキャンプ中にものにしたいと話す。